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カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

世界で最も古いカフェがどこにあるかご存知でしょうか。

今やどこにでもあるスターバックスが創業したのが1971年。50年以上前と聞くと歴史を感じますが、カフェの歴史全体から見れば比較的最近のことです。

日本で初めての喫茶店が誕生したのが1888年(明治21年)ですので、こちらは約140年前のことになります。

しかし、世界にはさらに桁違いの歴史を持つ場所があります。創業はなんと1720年。今から300年以上も前の話です。

そのカフェの名は「カフェ・フローリアン」。イタリアのヴェネツィアで、今もなお当時の場所で営業を続けています。今回は、そんな伝説的なカフェの正体に迫ってみましょう。

カフェ・フローリアンとは

カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

最初はアッラ・ヴェネツィア・トリオンファンテ(勝ち誇るヴェネツィア)というちょっといかめしい名前だったのですが、みんなが創業者のフロリアーノさんの名前を呼んで「フローリアンの店に行こうぜ」と言っているうちに、今の「カフェ・フローリアン」という名前が定着しました。

すぐ近くには「クアードリ」という、これまた250年くらいの歴史があるライバル店も並んでいます。

このお店ができる前、コーヒーは「さっと飲んで終わり」という、今の自販機や屋台のような存在でした。

そんな中、フローリアンは「コーヒーを飲みながら、ゆっくりおしゃべりを楽しめる場所」を世界で初めて作ろうとしました。

今でいう「コミュニティスペース」のような、仕事の話も遊びの話もできる社交場を目指したのです。

実際、お店には旅人やお金持ち、芸術家などが集まって、政治の話で熱くなったり、カードゲームで盛り上がったりと、いつもワイワイと賑わっていました。

当時のヴェネツィアは世界中から人やモノが集まる超エネルギッシュな街。カフェ・フローリアンは、そんな街の情報交換の場として、新しいアイデアや文化が生まれる特別な場所だったのです。

カフェ・フローリアンと「コーヒー×ミルク」の出会い

カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

今やカフェの定番メニューといえば「カフェラテ」ですが、実はこの「コーヒーにミルクを入れて楽しむ」というスタイルを世に広めるきっかけを作ったのも、このカフェ・フローリアンだと言われています。

それまでのコーヒーといえば、苦いブラックで飲むのが当たり前でした。しかし、フローリアンはお客さんにもっと楽しんでもらおうと、コーヒーに冷たいミルクを添えて提供し始めたのです。

これが「コーヒーとミルクの組み合わせ」を人気にする大きな一歩となりました。

ちなみに、今の私たちがよく飲む「カフェラテ」と「カフェオレ」には、ちょっとした違いがあります。

  • カフェラテ: エスプレッソ(濃いコーヒー)にミルクを混ぜたもの。コクがあってしっかりした味わい。
  • カフェオレ: ドリップコーヒー(普通のコーヒー)にミルクを混ぜたもの。まろやかで優しい味。

「ラテ」はイタリア語で「牛乳」という意味なので、イタリアの普通のカフェで「ラテください!」と頼むと、本当にコップ一杯の牛乳が出てくることもあるので注意が必要です(笑)。

このように、カフェ・フローリアンはただ古いだけでなく、新しい飲み方を提案して当時の人たちを驚かせた、とても革新的なお店だったのです。

今でこそ「歴史ある場所」ですが、当時は誰も見たことがない新しい楽しみ方を発信する、最先端のスポットだったんですね。

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カフェ・フローリアンに集まった有名人たち

カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

「おしゃべりを楽しめる場所」として大ブームを巻き起こしたカフェ・フローリアンには、歴史の教科書に載るような有名人が次々とやってきました。

有名なのが、作曲家のワーグナーです。彼はこのお店が大好きで、毎朝のようにここで朝食を食べていたと言われています。

他にも、小説『赤と黒』を書いたスタンダール、画家のモネやマネ、哲学者のニーチェ、文豪ゲーテなど、そうそうたるメンバーが常連でした。

その中でも特に有名なのが、稀代のプレイボーイとして知られる「カサノヴァ」です。彼は単なる「チャラ男」の代名詞のようになっていますが、当時は作家や政治家としても活動していました。

実は、当時のヴェネツィアで「女性がお店に入るのを許していたカフェ」は、ここフローリアンだけでした。だからこそカサノヴァは、女性との出会いを求めて毎日のように通い詰めていたのです。

真面目な思想家から、恋に忙しい遊び人まで、いろいろな人がこの場所に集まりました。そんなバラバラな個性がぶつかり合い、刺激し合ったことで、新しい芸術や文化がここから次々と生まれていったのです。

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現在のカフェ・フローリアンはどうなっている?

カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

いまのカフェ・フローリアンは、1800年代に作られた豪華な内装がそのまま残っています。当時の一流の職人たちが手がけた装飾は、今見ても息を呑むほどの美しさです。

店内は、キラキラと輝く金の壁にたくさんの絵画が飾られていて、まるで美術館の中でコーヒーを飲んでいるような贅沢な気分になれます。

実際に、歴史的な雰囲気と現代アートを融合させた展示会が行われることもあるんですよ。

カフェ・フローリアンとは?ヴェネツィアにある世界最古のカフェ

世界最古のカフェを一目見ようと、今でも世界中から観光客がやってきます。名物のドリンクはもちろん、パスタやサンドイッチなどの軽食メニューも充実しているので、ランチを楽しむこともできます。

また、フローリアンの名物といえば、テラス席での「生演奏」です。バイオリンやアコーディオンの音色がサン・マルコ広場に響き渡り、最高に優雅な時間を過ごせます。

ただし、音楽が演奏されている間に外の席に座ると、追加で「音楽料(チップのようなもの)」がかかりますので、そこだけは注意が必要です。

300年以上前にカサノヴァやゲーテたちが座っていたのと同じ空間で、コーヒーを味わえるのはここだけの特権です。

ヴェネツィアを訪れたら、歴史の風を感じながら一杯のラテを楽しんでみてはいかがでしょうか。カサノヴァのような、素敵な出会いが待っているかもしれませんよ。

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